実験条件から,第1文が実験対象となる. 第1文の情緒正解は,《喜び》に5票,《なし》に2票,《好ましい》に1票であっ たので,3位以下は不当とし,上位2位の《喜び》と《なし》を正解とする.下線部(1)の結合価パターンを本辞書 で照合すると,「(1647慶 764贈り物)が(3主体)に/へ届く」である.情緒属性は,第 二稿,第三稿の辞書共に,情緒主に生起する情緒は〈獲得〉による《喜び》 である.しかし,この時点ではまだ情緒を出力しない.
次に,前提条件の判定に移る.〈獲得〉の前提条件は図5より, 1)〔情緒主が目標をもつ〕,2)〔目標はプランで実現可能〕,3)〔プランには対象 が必要〕,4)〔対象の入手は評価が非常に高い/高い〕,の4つである.情緒主から対象までの 変数を手作業で確認する. この例では,全ての条件を満たしているので,辞書に付与した《喜び》を出力す る.よって,両辞書とも正解となる.