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前提条件

情緒生起の特徴の認識には,文脈情報や世界知識を用いて解析しなければならない部分が ある.これは,結合価パターンによる意味解析を越える範囲である.そのため,その部分は 意味理解により判断情報を得る必要がある. そこで,情緒推定という意味理解のプロセスで焦点をあてなければならない部分を本パ ターン辞書では前提条件の形式で持つこととする[7].

そこで,条件の定義は情緒生起特徴に基づいて行う.情緒生起特徴はフレーム 構造で形式化されている.例えば図3を用いて言えば,最上位特徴である《喜び》 の下には中位特徴として〈心理的〉があり,更に〈目標実現〉,〈計画〉と続き最下位 特徴として〈立案〉がある.

まず,効率的に前提条件を語義に対応付けるために,フレーム構造の各段階に前 提条件を割り当てる. また,フレーム構造において下位の特徴は上位の特徴を含んでいるので,前提条件も上位の条件を含んで いるものとして作成する.

例として,最下位特徴〈立案〉の満たすべき前提条件の内容は,次の4つである. 〈目標実現〉の条件は2つ,
(1)〔情緒主$Fr$が目標$G$をもつ〕,
(2)〔目標$G$はプラン$P$で実現可能〕である.
その下位特徴〈計画〉の条件は,
(3)〔プラン$P$に向けて行動$Ac$を実行〕である.
そして,最下位特徴である〈立案〉の条件は
(4)〔行動$Ac$の評価$E$が非常に高い/高い〕である.
ここで用いる「評価」とはコストの事を指し,費用や時間の高さや長さ,人力の多さや一般的な価値観など多義に渡る.

このように,中位特徴から最下位特徴までそれぞれに条件を定義し,情緒特徴別に見て全68種類の前提条件を作成した. 図5にその一部を掲載する.

図 5: 前提条件(一部)
\begin{figure}\begin{center}
\begin{tabular}{ccl\vert l}
\hline
中位特徴 & \mul...
...}& 対象$N$の入手は評価$E$が高い \\ \hline
\end{tabular}
\end{center}\end{figure}



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平成18年3月24日