注釈には「識別子,種類,内容,属性,理由,確信性,発生時刻」の
7つの情報が記述されている.
種類
種類には11種類の心的状態の名前と「関係」のうち一つが記述される.
例:
〈pl01.1,プラン,勉強をする〉
〈ar01.1,関係,プラン-プラン,pl01,pl02〉
識別子(ID)
心的状態の種類毎に次のように定義されている.
生理:ph,欲求:ds,情緒:em,目標:gl,プラン:pl,予測:pr,
評価:ev,記憶:mm,行動:ac,認識:cg,言語:sa,関係:ar「信念」を表す心的状態の識別子は「bl-(識別子)」の形式で記述する.
要求されたプランと保持しているプランとを区別するために,「要求プラン:op」
という識別子を用意している.
また,識別子の種類と注釈の出現順序を組み合わせたものをIDとしており,
pl01.1,pl02.1 のように記述する.
例:
〈pl01.1,プラン,勉強をする〉
〈pl02.1,プラン,学校へ行く〉
〈pl02.2,プラン,学校へ行く〉
内容
各心的状態の具体的な内容の記述や,心的状態同士の繋がりを識別子により記述
する.
例:
〈pl01.1,プラン,勉強をする〉
〈pl02.2,プラン,学校へ行く〉
〈ar01.1,関係,プラン-プラン,pl01,pl02〉
属性
心的状態に,それぞれ対応した属性値を付与することで心的状態の状態や変化を
表すことが出来る.
生理:[高い/中/低い] 欲求:[生起/解消] 情緒:[生起/解消] 目標:[設定/達成/解除] プラン:[候補/採用/不採用/終了] 要求プラン:[採用/不採用] 評価:[高い/低い] 行動:[実行中/終了]例:
〈pl01.1,プラン,勉強をする,採用〉
〈pl02.1,プラン,学校へ行く,候補〉
理由
その注釈を付与する根拠として注目した注釈の識別子を記述する.
この推定根拠を辿ることにより,コ−パス作成者の推論の過程を
解析することが可能である.
例:
〈pl01.1,プラン,勉強をする,採用,[sa01.1]〉
〈pl02.1,プラン,学校へ行く,候補,[sa01.1,pl01.1]〉
確信性
確信性はその注釈が対話の現状で確認されているか,予測したものであるかを表
す.確認されている場合は「c」,予測したものである場合は「p」というフラグ
で記述する.
例:
〈pl01.1,プラン,勉強をする,採用,[sa01.1],c〉
〈pl02.1,プラン,学校へ行く,候補,[sa01.1,pl01.1],p〉
注釈の棄却
「拒否」や「否定」等の発話や,新たな情報の追加により,古い情報が無効とな
る場合がある.closeの後に棄却される注釈の識別子を記述し,理由に棄却の根
拠となった注釈の識別子を記述する.
例:
〈close em01.1,[pl02.1]〉