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おわりに

本研究では, 用言意味属性を用いた文型パターンの絞り込みを行い, 正解率を上 げる為の最適な条件を明確することを目的とした. 実験の結果, 実験1ではR1, P1およびP2において最も高い値はそれぞれ, R1は33%(文法情報), P1は57%(IK第4分類), P2は55%(文法 情報)であった. また, 実験2では R1, P1およびP2において最も高い値はそれぞれ,R1は0.53(文法情報), P1は0.58(IK第4分類), P2は0.51(IK第1分類)であった. 実験結 果より, 単語レベルに対しての用言意味属性を用いた文型パターンの絞り込みでは, 文法情報よりもIK第1分類を用いた方が正解率は高くなった. しかし, 適合率お よび正解率は高いとは言えない.

また, IK第1分類を用いた文型パターンの絞り込みにおいて, AおよびBと評価さ れた文型パターンが60パターン削除された. IKは, NYに比べ, 意味の偏りが少なくなっている. 文型パターン に付与されたIKには多少の用言意味属性付与誤りがあるが, IK用 言意味属性第1分類には意味の偏りが無い事から, 文型パターンの意味に偏りがあ るとは考えづらい. よって, IKの意味分類を再考し構築し直しても, IK第1分類を用いた絞り込みで削除された入力文に適合する文型パターンを用言 意味属性で拾う事ができる可能性は低いと考える. しかし, 用言意味属性付与誤 りを校正した文型パターンを用いて実験を行う必要はある.

今後はさらに適合率およびの値を 向上させる方法を考えていく. 具体的には, 句レベルおよび節レベルの文型パターンを使用した用言意味属性による文型パターンの絞り込みを行い, 全レベルの文 型パターンを用いた場合の適合率および正解率を求める予定である. また, 名詞意 味属性を用いたパターンの絞り込み, 名詞+動詞の意味属性を用いたパターンの 絞り込みを行い, 適合率を低下させず, 正解率を上げる為に最適な意味属性の条 件を明確にする予定である.



平成18年3月24日