今回は母音や撥音が連続した場合に連続母音として扱って音声を作成し,作成した合成音声の品質は向上した. しかし,連続母音の数が多くなるため,作成可能な文節数が減少する. 本研究では日英対訳の例文集に含まれる1000文を使用し,従来手法に母音や撥音が連続した場合は連続母音として扱うという条件を加えた. そして,母音や撥音が連続した場合に連続母音として扱わずに作成できる4,5,6モーラの文節数が382文節だったのに対し,連続母音として作成した場合は323文節へと減少した. 品質向上のために制御を増やすと,作成可能な文節数はさらに減少してしまう.
この問題については,特に後音素環境において似た子音をグループ化し,音素環境を代替して素片の種類数を少なくすることで解決していくことが可能であると考えている. なお,環境などは異なるが,短い刺激音声について,代替により自然性劣化に関する評価がなされている[16].