一意正答(1):結合価パターン自体が一種類しか存在せず、そのまま対応し、 正答と判定できる場合。
一意正答(複):結合価パターンが複数存在するが、名詞の意味属性、格助詞 の一致判別によって一意になり、正答と判定できる場合。
複数正答:結合価パターンが複数存在し、 名詞の意味属性、格助詞によって候補パターンが 絞られたが、一意に絞れず、点数計算によって一意に絞られ正答となった場合。
一意正答(1) | 一意正答(複) | 複数正答 | 慣用表現 | パターン無し | 誤り |
19.3%(58/300) | 34.3%(103/300) | 19.7%(59/300) | 2.7%(8/300) | 19.3%(58/300) | 4.7%(14/300) |
一意正答(1)の例:老子が若返った。「若返る」のパターン:(4 人)が若返る。
一意正答(複)の例:英文をもとに翻訳を進めた。(以下、進めるの登録パターン)
慣用表現の例:予算の編成に知恵を絞る。「知恵を絞る」は慣用表現となるため、 自動的に慣用表現のパターンが選択される。
パターン無しの例:見解を表明する。「表明する」という動詞は登録パターンにあるが、該当する パターンが無いためにパターン無しとなる。
誤りの例:首相訪米は予定通り行う。「は」格が「を」格の性質を持つため、 「が」格として認識すると、「首相訪米」は主格にならないので誤りとなる。
次に、全ての正答と誤りについての詳細なデータについて表8に示す。
パターン無しと慣用表現を除いているため、総文数は234文となっている。
完全に正答と言えるのは◎だが、○や△も正しい答えではあるので
総合的には正答としている。(よって正答は220/234)
また、表8について以下に示す。
1)◎:導き出したパターンの意味が正しい場合
2)○:導き出したパターンは正しいが、類似のパターンが他にも存在する場合
3)△:導き出したパターンの意味で正しいが、別の意味のパターンでも
意味が通る場合
4)*:形態素解析ミスによる意味の取り違いの場合、もしくは
格助詞が複数の意味を持つ為に正しい結合価パターンを導きだせなかった場合
5)×:点数計算で正しいパターンを導き出せなかった場合
1)◎の例:英語の本を携える。照合パターン:(4 人)が(533 具体物 1002 抽象物(精神))を(594 手)に携える
2)○の例:ドゥダエフ政権部隊の兵士が、南方に脱出している。候補パターン1:(3 主体 535 動物 760 人工物 1000 抽象)が(388 場所 1000 抽象)を脱出する(7.5点)
3)△の例:ソ連は消滅した。候補パターン1:(1 全て)が消滅する(3点)
4)*の例:関根容疑者が住民表を移した。候補パターン1:(3 主体)が(2 具体)を(388 場所 2610 場 533 具体物)[から、より](388 場所 2610 場 533 具体物)[に、へ]移す。 (正解)
5)×の例:3日も首都空爆を行った。「も」格が「に」格の意味を持つので誤りとなる。