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誤り文が削除できないことについて

「(手順4)まで」における「1位」と「〜32位」の正解率の差より, 誤り文が削除できなかった量がわかる.原因,および, 該当候補文の数を表5に示す.

表5:誤り文を削除できなかった原因
原因 文数
(1-1)結合価パターンが原因 2
(1-2)結合価パターン以外が原因 3

以下に具体例を載せる.

(原因1-1)の例

入力文:
しきちないにちいさなばばがある。
正解文:
敷地内に小さな馬場がある。
誤り候補文:
敷地内に小さな祖母がある

次のパターンで判断したため誤った.

パターン:
$ N1 $(*)が$ N2 $(388場所 533具体物 1000抽象)にある

この場合,「祖母(人間)」に対して「ある」は誤りである.

(原因1-2)の例

入力文:
てんしんのことばがよみがえる。
正解文:
転進の言葉がよみがえる。
誤り候補文:
点心の言葉がよみがえる。
パターン:
$ N1 $(*)が蘇る
誤り候補文において「点心」と「言葉」は,人手での評価では 繋がらないと判断し,誤りとした.

以上より,(原因1-1)の場合,結合価パターンの制約条件の変更が必要となる. しかし,「『彼が〜の立場にある』という場合では 正しい」というように,一般に制約条件の変更は容易ではない. (原因1-2)は,人手での判定では誤りとしたが, 「の」型名詞句は,状況や考え方によっては繋がることがある. したがって,これら2つの原因の解決は困難である.



平成16年4月15日