next up previous
: 考察 : 実験の結果 : 格助詞、意味属性の有効性

正答と誤りの詳細

格助詞のみを用いた場合は、格助詞単独用に点数の調整をしていないため、 精度はそれほど高くはない。だが、意味属性の深さを用いる場合は、 両方を用いた場合に近い結果となる。 結果より格助詞、意味属性はパターン選択精度向上に 有効である事が分かる。 次に、全ての正答と誤りの詳細なデータを表6に示す。



表 6: 格変化、計算を使用した場合の詳細
×
85.0% 5.6% 3.4% 5.1% 0.9%
(199/234) (13/234) (8/234) (12/234) (2/234)


完全に正答と言えるのは◎だが、○や△も正しい答えではあるので 総合的には正答としている。 a) ◎の例:勉強会を開く。
候補1:(主体)が(全て)を開く。
候補2:(主体)が(式、行事)を開く。(正解)
1の計算(深さ1*3.5点)-(深さ3*0.5点)=2点
2の計算(深さ6*3.5点)-(深さ3*0.5点)=19.5点
点数計算上では候補2の方が候補1より高いので 候補2を正しいパターンとする。 候補1は(箱、扉等の開ける物)を開くという意味に対し 候補2は(会議、会合等)を開く(開催する)という意味なので 意味的に入力文と合致するのは候補2となる。 よって点数計算で候補2を選出するのは正しいので、◎の評価となる。
b) ○の例:大会開催が決まった。
候補1:(全て)が決まる。
候補2:(全て)が(全て)[から、より、で]決まる。
3.2章で述べたパターンで、類似したパターンがある場合にあたる。 1、2とも、どちらの意味とも取れる。
c) △の例:軍隊は全滅する
候補1:(全て)が全滅する(3点)
候補2:(主体 動物)が(全て)を全滅する(8.5点)
この文の場合、候補2を正解としており、 確かに候補2の意味で取る事は可能である。 しかし、本来は別の意味での候補1である可能性もある。 ○とは異なり、明らかに意味が違うが、両方の意味で取れる場合のパターンである。
*、×については考察で述べる。




平成14年4月10日