作成したパターンの意味的な分類を行い,それぞれのパターン数を調べる.その 結果を表 6 に示す.
意味ごとに分類したパターンの例を以下に示す.原文は付録を参照する.
(例)「目的」の場合
N1はV1するようにV2する.
N1 V2 so that N1 (can) V1.
(例)「理由」の場合
N1はV1するのでV2する.
N1 V2 because N1 V1.
(例)「原因」の場合
N1はもうV1だからN2はV2できる.
Now (that) N1 V2 , N2 V2.
(例)「結果」の場合
N1はV1して,ついにV2した.
N1 V1 , until N1 V2.
(例)「条件」の場合
V1すれば,N1はV2する.
If N1 V1 , N1 V2.
(例)「仮定」の場合
もしN1がV1したら,V2する.
In case N1 V1 , V2.
表 6 より「理由」の意味を表すパターン数が多いことが分かる.こ の理由として,1 つの日本語に対応する英語パターンの数は少ないが,日本語 パターンの種類が多いために,全体として「理由」を表すパターンの数が多く なったことが挙げられる.また,パターン数が多いことからは,「理由」の意 味を持つ場合は多義性が高いことも分かる.その他に分かることとして,「目 的」の日本語パターンが少ない一方で,「目的」の英語パターンが多いことが 挙げられる.この理由としては,日本語パターンの種類は少ないのに,一つの 日本語パターンに対応する英語パターンが多いことから,「目的」を表す英語 パターンが全体として多くなったと考えられる.これより,意味と構造だけで 訳パターンを一意に決定することは困難と思われる.そこで,訳パター ンを選択するにはパターンの持つ意味以外の情報を考えることが今後必要となっ てくると言える.