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本研究では因果の意味を持つ重文を対象とする[4].これを,構造と意味の面から見
ると以下のようになる.
- 構造的な面…日本語が重文であれば,英語は重文でも非重文でも構わな
い.対象(〇),対象外(×)の例文を以下に示す.
- 〇:日本語が重文で,英語が重文の場合
息子が病気になりはしないかと私は心配している.
I am afraid lest my son should be taken ill.
- 〇:日本語が重文で,英語が非重文(例:単文)の場合
私は雨が降ったために早めに帰宅した.
I came back early because of the rain.
- ×:日本語が非重文(例:複文[埋め込み文])で,英語が重文の場合
彼は怠け者であるという理由で首になった.
He was dismissed on the grounds that he was lazy.
- ×:日本語が非重文(例:単文)で,英語が非重文(例:単文)の場合
大雪のため,私たちは出発できなかった.
Owing to the heavy snowfall we could not leave.
- 意味的な面…因果関係の意味を持つ文.対象(〇),対象外(×)の例文を以下に示す.
- 〇:文の意味が「目的」の場合
良い席がとれるように早く出た.
I left early so I could get a good seat.
- ×:文の意味が「時」の場合
道路を走っているとき彼はつまずいてころんだ.
Running down the road , he tripped and fell.
2002-03-06