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述部の結合価パターン


4.1節より,底の名詞の意味属性が「具体」配下の名詞は,「内の関係」とみな すことができる.しかし,底の名詞の意味属性が「抽象」配下の場合は,「内 と外の関係」が決定できない.そこで,底の名詞が「抽象」配下の場合の判定 方法について考える.



(例文12)しょせん地球上に住む人々は運命共同体なのだ.(内の関係)



(例文13)あの山には鬼が住んでいるという言い伝えがある.(外の関係)

例文12・例文13のように,底の名詞の意味属性が「抽象」配下の場合,底の名詞が 同じであっても動詞によっては,「内の関係」にも「外の関係」にもなりうるこ とがある.これは,動詞によって格関係をとることができる名詞の意味属性が異 なるからである.具体的には,「住む」という動詞は,「N1(4人 535動物)が N2(388場所 2610場 863建造物 384社会)に 住む」という結合価パターンを持つ. 例文12の場合,底の名詞「人々」が「/1名詞/2具体/3主体/4 人/5 人間」の意味 属性を持つために,「住む」の結合価パターンに当てはまり,底の名詞と格関係 を持つので「内の関係」と言える.

また,例文13の場合では,底の名詞「言い伝え」の意味属性が「/1名詞/1000抽象 /1235事/1236人間活動/1237精神/1495言動/1540報道/1549 伝達・報知/1550 伝 達」であり,「住む」の結合価パターンに当てはまらないので格関係がないとし, 「外の関係」と言える.





2002-03-06