結果から制約効果が確認できたが,制約の強度が強すぎるとユーザの利用感の 妨げとなるため,ここで制約の強度について考察する。
本研究で作成したインストラクションは,その手法がユーザに対し強制的に命令 すいるようなものではなく,利用の例を示しただけであるため,制約方法として 簡易的だと言える。また,インストラクションの時間は5分であり,ユーザの平 均対話時間約4分30秒と同等であるため,制約の強度は低いと考えられる。それ に対し,先に示されたように制約効果は高く,制約方法として有効だと言える。
本研究の実験は,初利用のユーザに対するインストラクションの効果を調査した が,仮にインストラクションを与えなくても人間の学習効果により,2回目以降 は自動で発話が制約されることは予想できる。しかし,本研究は実用化を重視し ているので,実用化された時,ユーザに利用を促すためには初回の利用感を良く する必要があると考え,初回のインストラクションが重要だと考えた。
本研究では都合上行えなかったが,2回目以降の発話のばらつきについて調査 した方がよかっただろう。