本実験では、音素ラベルの前に単語のモーラ数、後にモーラ位置情報を付け加え ることで母音と撥音を分類した。 促音も1モーラに数えられ、 モーラ情報で分類することができる。しかし、促音は無声音であり、 ピッチは存在しないため、本実験では、 分類しなかった。 母音と撥音の音素ラベルの分類例を表に示す。
分類前 | a | ts | u | s | a | |
分類後 | 3a1 | ts | 3u2 | s | 3a3 | |
分類前 | k | i | m | a | r | i |
分類後 | k | 3i1 | m | 3a2 | r | 3i3 |
分類前 | zh | i | q | k | e | ng |
分類後 | zh | 4i1 | q | k | 4e3 | 4ng4 |
例1の単語が「暑さ」(atsusa)である場合、モーラ数は3なので母音の音素ラベルの前 方に3、母音の音素ラベルの 後方にそれぞれのモーラ位置を付け加えることで母音と撥音を分類する。 分類後、1番目と5番目の音素ラベルaは、3a1と3a3という音素ラベルに置き換えられ、 モーラ位置が違うため異なる音素ラベルとなる。
データベース話者Aの母音と撥音をモーラ情報を使用して分類したところ、 全音素ラベルは26種類から119種類 へと増え、母音の種類は5種類(a、i、u、e、o)から91種類に、撥音(ng)の種類は1 種類から8種類になった。