複合動詞とは二つ以上の単語から成る複合語であり,複合語を構成する単語全て か,または後部の単語が動詞であって全体として動詞の役割を果たすものである.
◎複合動詞を含む文章の例を以下に示す.
彼は急に走り出す.
空港から飛行機が飛んで行く.
私は街中を一日中ぶらついた.
以上より,本論文では,複合動詞の形態は動詞+動詞,名詞+動詞,副詞/擬態語 +動詞となり,さらに動詞+動詞の形態については,「〜て〜」の形のものを動詞テ型+ 動詞,それ以外を動詞原型+動詞とした.
次に,複合動詞の形態の頻度を表1に示す( 頻度は機能試験文集3)の割合).
(1),(2)は意味的に分離できるものが多く構成要素の分類が可能 であり,頻度においても複合動詞の大部分を占めているので本研究における分類 の対象とする.しかし,(3),(4)に当てはまる複合動詞は意味的に分離できない ものが多く,それぞれの訳語を個々にあら
かじめ辞書に登録する手法をとる必要 がある.また(1)や(2)に比べ(3)や(4)は頻度においてかなり少ないので(3),(4) は本稿においての分類の対象としては取り扱わない.
表1:複合動詞の形態
形態 | 例 | 頻度 | |
(1) | 動詞テ型+動詞 | 持っていく | 72% |
(2) | 動詞原型+動詞 | 持ち上げる | 26% |
(3) | 名詞+動詞 | 腰かける | 1% |
(4) | 副詞/擬態語+動詞 | べとつく | 1% |