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一般名詞意味属性体系

2.1で述べた結合価パターンを登録すると、 あらゆる場合に対して無限にパターンを記述する必要がある。

例えば表1の

N1(人)  が  N2(休暇)  を  送る     N1  spend N2
の場合、N1(人)の『人』が『私』なのか『彼』なのか様々なケースが 考えられる。同様にN2(休暇)の『休暇』も『夏休み』、『正月休み』 などいろいろなケースが考えられる。 そこで結合価パターンでは、格要素の名詞の代わりに一般名詞意味属性を記述し ている。

一般名詞意味属性体系とは、単語の見方、捉え方に着目して、名詞の意味的用法 を整理、体系化したシソーラスである。本研究で使用する一般名詞意味体系(図1) は、約40万語の名詞を、最大12段の木構造を構成する2,710の意味属性に分類し ている。また上位の属性が下位の属性を内包するといった性質を持っている。 一般名詞意味属性体系を用いれば上の例の『私、彼…』は『(人)』という意味属 性にまとめられる。

よってこの一般名詞意味属性体系を結合価パターンに記述することにより、 一つの名詞N1に『私』と『彼』と……のように 全部登録しなくても、N1には一般名詞意味属性体系の『(人)』に あたる名詞が対応すると記述すればパターンを登録できるようになる。


 
Figure 1: 一般名詞意味属性体系(一部)

\includegraphics{fig4.eps}





2001-03-23