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結合価文法

結合価文法は、用言と格要素(名詞+助詞)の意味的関係を記述したものである。 つまり「『送る』の訳は『send、live、spend』」というように単語単位で 登録するのではなく、表1に示すように、「(人)が(休暇)を送る場合は『spend』、 (人)が(生活)を送る場合は『live』」のように動詞に係る語もまとめて登録する。 これにより用言と名詞の間に意味的な制約が生まれ、これを利用することにより、 日英機械翻訳において訳語の精度が向上すると考えられる。

本研究では、日本語語彙大系に記載されている「構文意味辞書」の結合価パ ターンを使用する。これは、日本語解析で発生する意味上の多義の解消を目的と して開発され、日本語用言を中心とする文型を格フレームと類似の結合価パター ンにまとめたものである。一般の文型と慣用表現の文型を合わせて約16,000件の 日本語文型パターンにまとめられている。


 
Table 1: 結合価パターンの例(かっこ内は一般名詞意味属性名)
N1(人) N2(休暇) 送る N1 spend N2
N1(人) N2(生活) 送る N1 live N2
N1(人) N2(人) 起こす N1 wake up N2
N1(人) N2(訴訟) 起こす N1 file N2




2001-03-23