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結合価パターンを用いた制約

結合価パターンを用いた意味的な制約条件を加えることで、音声認識から得られ た候補文の内、意味的におかしい文を取り除く。以下の例文(1)の音声入力を行 い、その出力候補に結合価パターンを用いることで、結合価パターンによる意味 的な制約を説明する。


<音声入力文> 私は直線を引く (1)

入力文(1)に対し、得られた候補文(A)〜(F)を次に示す。



<候補文>

(A) 私は職制を引く

(B) 和菓子は職制を引く

(C) 私は直線を引く

(D) 和菓子は直線を引く

(E) 私は食前を引く

(F) 和菓子は食前を引く



候補文(A)〜(F)の中には意味的におかしい文が存在している。そのため 、これらの候補文全てに結合価パターンを適用し、パターンを一つも満 たさない文は意味的に誤っているとみなす。

候補文で用いられている用言「引く」の結合価パターン を日本語彙体系[1]により検索すると、次のパターンが検出される。



<「引く」の結合価パターン>

120D {主体} が/は {人、具体物} を {場、場所} に/ へ 引く

220D {人} が/は {線、幕、くじ} を 引く

320D {主体} が/は {電話} を 引く




上記の結合価パターンに対し全候補文(A)〜(F)を照らし合わせると、候補文(C) だけが結合価パターン220Dと一致しする。このため、意味的な制約 条件を満たす文は候補文(C)だけであり、他の候補文は意味的におかし いと判別できる。



平成14年5月1日