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最多格要素一致と最大意味属性得点による候補文の絞り込み

本手法は、候補文に最多格要素一致による絞り込みを用いた後、一致した格要素 の名詞意味属性の存在する木構造の段数(深さ)を用いて得点付けを行う。そ の結果、得られた得点により順位付けを行い、候補文を絞り込む。

5.1節で述べた「最多格要素一致による候補文の絞り込み」の手法により絞り込 まれた候補文は格要素数が等しくても、名詞の制約の強弱にはばらつきがある。 そこで、名詞の制約を行っている一般名詞意味属性に着目した。

結合価パターンは名詞を名詞意味属性により規制しており、意味属性は十二段の 木構造により上位属性が下位属性を内包することで構成されている。そのため一 致した格要素の意味属性が深くなるにつれ、文は強く制約される。そして、この 制約条件を満たしていると判定された文の意味は正解率が高いと考えられる。 このことから、一致した格要素の意味属性の深さをそのまま格要素の得点とし、 候補文中の一致した格要素の得点の和を、その候補文の得点とすることで、候補 文の得点を行う。そして、最も得点の高い候補中に正解文が含まれるとし、候補 文を削減する。またこれは細部にも適用され、一つの候補文に複数のパターンが一致 した場合、最も得点の高いパターンをその候補文の満たした結合価パ ターンとする。



平成14年5月1日