最多格要素一致による候補文の絞り込みの具体的な適用方法について例を挙げて説明する。
以下の文を音声入力する。
<入力文> 彼は隊長から指令を聞く
この認識結果から得られた候補文に対し結合価パターンを適用することで、絞り込まれた 候補文と、候補文の満たした結合価パターンのうち最も格要素が多く一致したパ ターンを表3に示す。
候補文 | 最多格要素一致結合価パターン | 一致格要素数 |
彼は隊長から指令を聞く | {人}が/は{抽象}を{主体}から聞く | 3 |
彼は体調から指令を聞く | {人}が/は{命令}を聞く | 2 |
表3から、二つの候補文は異なった結合価パターンを共に満たしていること が分かる。この時の一致格要素数を調べると、「彼は隊長から指令を聞く」の一 致格要素は({人}が/は)と({抽象}を)、({主体}から)の三つ、 「彼は体調から指令を聞く」の一致格要素は({人}が/は)と({命令}を)の二 つである。このため、最も多く格要素 の一致した候補文「彼は隊長から指令を聞く」を正解候補文とする。