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HMM

HMM(隠れマルコフモデル)は、モデルの出力シンボルが与えられても、状態遷移 系列が唯一つに定まらないモデルの事である。よって、観測できるのはシンボル系 列であることだけから隠れマルコフモデルと呼ばれている。HMMには、ある状態から全ての状態に遷移できる全遷移型(Ergodic)モデルや、 状態遷移が一定方向に進む left to right モデルなどがある。 図1に簡単なHMM(left to right モデル)の例を示す。
  
Figure 1: left to right モデル
\includegraphics[scale=0.65,clip]{lefttolight.eps}

このHMMは三つの状態で構成され、2種類のラベルaとbのみからなるラベル系列 を出力する。初期状態はS1、最終状態をS3とし、図のような遷移のみ行なうも のとする。 aijは、状態SiからSjへの遷移確率を示し、[ ]内の数字は上段がラベ ルa、下段がラベルbを出力する確率を示す。 状態S1を例にとれば、S1から状態S1自身に0.3の確率で遷移し、遷移の際に1.0 の確率でaを出力し、0.0の確率でbを出力する。 出力シンボルがabbであった場合、状態遷移系列は 「S1-S1-S2-S3」、「S1-S2-S2-S3」の二通りがあり状態遷移系列を唯一つに決定 できない。よってこのモデルは、隠れマルコフモデルといえる。

maeta tomohiro
2000-03-16