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おわりに

本稿では,比較文を例として取り上げ, 原言語のパターンの意味ラベル,付加意味,品詞列を対応づけることで, 意味・品詞が一致する目的言語のパターン を探しだす仕組みを作成した. また原文中のパターンに含まれない単語や変数の意味に着目し, 複数のパターンの候補の中から原文に応じて最適なパターンを絞り込む手法を提案した.

本手法の性能調査のため,対訳コーパスを用いて評価実験を行った. その結果, 英語から日本語は51%,日本語から英語は59%の割合で,パターンを原文に応じて 絞り込む手法を適用できることがわかった. またデフォルトパターンとの比較を行った結果,原文に応じて絞り込んだ パターンの方が 適している割合が高いことがわかった. これにより意味類型を用いて最適なパターンを選択できる可能性が見え たと言える.

今後は, 精度を高めるため 付加意味に重みづけする,変数に意味属性を用いるなどの手法を用いる手法が考 えられる.また本研究では,著者自身の判断に基づいてる部分が多いため, ネイティブの判断による最適の適否の再評価が必要となる.

謝辞
本研究において三年間指導して頂いた鳥取大学知能情報工学科計算機研究室の池 原教授と村上助教授にお礼申し上げます.また本研究で参考にした論文,本の著 者の方々にお礼申し上げます.

参考文献
[1]池原,宮崎,白井,横尾,中岩,小倉,大山,林:日本語語彙体系,岩波書店 (1997)
[2]斉藤健太郎,池原 悟,村上仁一:日英比較表現のパターン化と意味的対応関 係,第7回言語処理学会,pp.241-244(2001.3)
[3]池原 悟:意味類型に着目した日英意味辞書の研究企画,辞書プロジェクト 会議(2000.4.1-2)
[4]池原悟,佐良木,宮崎,池田,新田,白井,柴田:類推思考の原理に基づ く言語の意味的等価変換方式(2001.11)
[5]池原 悟:セマンティックタイポロジーによる言語の等価変換と生成 平成13年度申請,戦略的基礎研究推進事業,研究領域「高度メディア社会の 生活情報技術」
[6]グループ・ジャマシイ:日本語文型辞典,くろしお出版(1998)
[7] 斉藤 健太郎, 池原 悟, 村上 仁一: 意味類型を用いた 日英文型パターンの対応づけ, 第 147回自然言語処理研究会, pp.1-8 (2002.1)
[8] 斉藤 健太郎, 池原 悟, 村上 仁一 : 日英文型パターンの意味的対応方式, 言語処理学会第8回年次大会発表予定 (2002.3)

付録




1.日本語パターン表



2.英語パターン表



3.用例集



4.オープンデータ




2002-03-06