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Next: About this document ... Up: No Title Previous: 6.2 文脈による選択とデフォルトとの比較

7.おわりに


本稿では,比較文を例として取り上げ, 原言語のパターンに意味的・構造的に対応する目的言語のパターン を探しだす仕組みを作成した. またパターン外の単語やパターンの変数の意味に着目し, 複数のパターンの候補の中から文脈に応じて最適なパターンを選択する手法を提案した.

本手法の性能調査のため,対訳コーパスを用いてオープンテストを行った. その結果, 英語から日本語は52%,日本語から英語は59%の割合で,パターンを文脈から 選択できることがわかった. またデフォルトパターンとの比較を行った結果,文脈から選択したパターンの方が 適しているパターンである割合が高いことがわかった. これにより意味類型を用いて最適なパターンを選択できる可能性が見え たと言える.

今後は,ネイティブの判断によって, 最適なパターンの選択する手法の正確な精度を調べる必要がある, またその精度を高めるため 付加意味に重みづけするなどの手法を用いる必要がある.


参考文献
[1]池原,宮崎,白井,横尾,中岩,小倉,大山,林:日本語語彙体系,岩波書店(1997)
[2]池原 悟:意味類型に着目した日英意味辞書の研究企画,辞書プロジェクト 会議(2000/4/1-2)
[3]斉藤健太郎,池原 悟,村上仁一:日英比較表現のパターン化と意味的対応関 係,第7回言語処理学会,P241-244(2001.3)
[4]グループ・ジャマシイ(1998):日本語文型辞典,くろしお出版




2002-02-09