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1. はじめに


自然言語処理の技術的発展を図る上で意味解析の重要性が指摘され, 意味を構成する原言語[*]の表現をパターンとし,目的言語[*]の表現と対応づける方法 [1]が提案されている.しかしこの手法では,日本語表 現と英語表現の対 応が単一的である.そのため,文脈等を考慮したとき,対応している表現の中に 適切な訳語表現がない場合がある.

柔軟で意味的に適切な翻訳を実現する方法の1つとして, 意味類型[*]を介して1つの原言語表現に複数の目的 言語表現を対応づける方法 [2]が考えられる.しかし意味類型を介した手法を用いると 訳文に用いる表現の候 補が複数となるため,訳語表現を一意に決定できないという問題点がある[3].

そこで本研究はまず 比較文型を例としてとりあげ,意味類型を用いて原言語の パターンに意味的・構造 的に対応する目的言語のパターンを求める仕組みを示す. また訳語の表現を一意に決定できない問題点を解決するために, パターン外の単語やパターン内の変数に着目し,複数のパターンの 候補の中から文脈より最適と考えられる訳語のパターンを決定する手法を示す.





2002-02-09