柔軟で意味的に適切な翻訳を実現する方法の1つとして, 意味類型を介して1つの原言語表現に複数の目的 言語表現を対応づける方法 [2]が考えられる.しかし意味類型を介した手法を用いると 訳文に用いる表現の候 補が複数となるため,訳語表現を一意に決定できないという問題点がある[3].
そこで本研究はまず 比較文型を例としてとりあげ,意味類型を用いて原言語の パターンに意味的・構造 的に対応する目的言語のパターンを求める仕組みを示す. また訳語の表現を一意に決定できない問題点を解決するために, パターン外の単語やパターン内の変数に着目し,複数のパターンの 候補の中から文脈より最適と考えられる訳語のパターンを決定する手法を示す.