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具体例 2

『ビルの上にへリコプターが飛んでいる』


例2の場合、対象は「ビル」と「へリコプター」で、「ビル」が基準対象であ り、方向提示語句は「上」である。


1)基準対象「ビル」は方向概念を持っており、観察者の視点を導入すること なく「上」という方向が決まる。
2)動詞「飛んでいる」からは、2対象間の位置関係に関する情報は得られない。
3)したがって、「上」に対して方向領域の概念が適用される。基準対象「ビル」 に対して上方向に広がりを持った「へリコプター」の存在し得る領域を得る。
4)つづいて、距離特性の概念が適用されるが、方向提示語句が「上」であるため、 この場合は距離的制約はとくにない。
5)再び動詞「飛んでいる」に注目すると、「へリコプター」が何にも支持され ることなく存在しているという情報が得られる。

この結果、位置関係は以下のように判断される。


「ビルの上方向に広がる空間にへリコプターが支持されることなく存在し ている」
(位置関係パターン:baadabb)




2002-03-27