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具体例 1

『自転車のうしろに荷物を載せた』


例1の場合、注目する2対象は「自転車」と「荷物」で、方向提示語句 は「うしろ」である。位置関係における基準対象物は「自転車」となる。 また、2対象それぞれが持つ位置関係に関わる特徴は表1のようになる。


  
Table 1: 対象の特徴
\begin{table}
\begin{center}\vspace{2mm}
\includegraphics[width=12cm,keepaspectratio]{rei_1.eps}\end{center}\end{table}

1)まず、基準対象「自転車」の方向を決定する。「自転車」は上・下・前・うし ろなどを方向概念としてもともと持っており、観察者の視点を導入すること なく「うしろ」という方向が決められる。
2)つづいて動詞の部分に注目すると、この例の場合「載せた」という表現から2 つの対象の間に支持・被支持の位置関係があるという情報が得られる。 よってもう一方の対象「荷物」は、基準対象のうしろ側に支持されていると判断 できる。
3)この例の場合、動詞から位置関係の情報が明確に得られるため、方向領域・距 離特性の概念は適用されない。
4)さらに、2つの対象の持つ性質にも注目してみるが、この例では特に有用な情 報は得られない。


この結果、位置関係は以下のように判断される。


「自転車のうしろ側に荷物が支持されて存在している」
(位置関係パターン:bdbaaaa)




2002-03-27