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「形容詞+並列型名詞句」の曖昧性

「形容詞+名詞A+と/や+名詞B」には次の2つの場合の曖昧性がある。
1.
形容詞が名詞Aのみに係る場合(以下「A係り」とする)
以下に例を示す。

3#3 (3)

2.
形容詞が名詞A、名詞B両方に係る場合(以下「A&B係り」とする)
以下に例を示す。

4#4 (4)




実際にA係り、A&B係りがどの様な割合で存在するのか調べるために、 新聞記事1年分より抽出した「形容詞+名詞A+と/や+名詞B」の係り先の割合を次に示す。

 
表 1: 形容詞の係り先割合(単位:個数)
  A係り A&B係り 合計
17 148 165
23 105 128
合計 40 253 293

(A係り:名詞Aに係る,A&B係り:名詞A、B共に係る)



「形容詞+名詞A+と/や+名詞B」の純粋な形での抽出は全293件にとどまるが、 形容詞と同じ働きをする形容動詞の存在、過去の活用形、並列助詞の多様さを考慮すると、 さらに多数存在すると思われる。

本研究の目的は、「形容詞+並列型名詞句」(形容詞+名詞A+と/や+名詞B)において 形容詞の係り先の曖昧性を判定する手法を提案することである。


MatobaKazuyuki 平成11年4月16日