Next: 「形容詞+並列型名詞句」の曖昧性
Up: 名詞句とその解析
Previous: 名詞句とその解析
- 1.
- 「の型名詞句」
の型名詞句とは、「形容詞+名詞A+の+名詞B」の形をとり、
形容詞と名詞間の係り受けと、名詞Aと名詞B間との両者において
係り受け関係が存在する。
また、形容詞は名詞Aに係る場合と、名詞Bに係る場合との2つの曖昧性を持つ。
以下に例を示す。
例において、「広い」は「門(名詞A)」に、「長い」は「夜(名詞B)」に係り、形容詞と名詞間の係り受けが存在する。さらに、「門」が「下」に、「北国」が「夜」に係り、名詞間の係り受けが存在する。
- 2.
- 「並列型名詞句」
並列型名詞句とは、「形容詞+名詞A+並列助詞+名詞B」の形をとり、
名詞Aと名詞Bが並列に連なっている名詞句である。
以下に例を示す。
例において、名詞「犬、猫」「記憶、イマジネーション」には係り受け関係はなく、
並列に連なっている。
並列助詞には、助詞「の」以外で形容詞の係り先に曖昧性を持つ名詞句を形成する全ての助詞が含まれるが、
この様な並列助詞には、「と」「や」「か」「とか」「やら」「だの」がある。
「とか」「やら」「だの」については「や」と完全に置き換えが可能である。
本研究では比較的多くの抽出が可能であった「と」「や」について扱っている。
MatobaKazuyuki
平成11年4月16日