「以上」の考察
接尾辞「以上」の翻訳規則の正解率はオープン・クローズドテスト共に66%の正解率が得ら
れた。また、「以上」には「訳が省略される」規則を作成していない。そのため今
後は「訳が省略される」規則を考案する必要があると考えられる。
成功例: | 年産三万台以上 → more than 30,000 units per year | ||
数詞の精細度が0.2のため、訳は''more than'' | |||
失敗例: | 生産能力は二倍以上に高まる | ||
→
|
|||
精細度が1.00のため、``more than''は本研究の翻訳規則に適さない |
「以下」の考察
接尾辞「以下」の翻訳規則の正解率はクローズドテストにおいて37.5%と低い。
これは、「以上」同様、「訳が省略される」翻訳規則を考案していないことが原
因である。また、「以下」には特殊な形''in the maximum''と訳されることも原
因の一つだと考えられる。
成功例: | 一ミリ以下の次世代ロボット → the next generation of robots one mm. or less | ||
精細度が1.00のため訳は''or less'' | |||
失敗例: | 百万円以下の罰金 | ||
→
|
|||
``maximum''は「以下」の翻訳規則の訳語候補ではない |
「以内」の考察
接尾辞「以内」の翻訳規則の正解率はクローズドテストにおいて66.7%である。
しかし、「以内」の頻度は3件と低いため、今後は他の標本などから「以内」の
翻訳規則を考案する必要があると考えられる
成功例: | 射程五キロ以内 → a range of 500 kilometres or less | ||
精細度が1.00のため、訳は''or less'' | |||
失敗例: | 全ての世代で三位以内 | ||
→
|
|||
「省略」は「以内」の翻訳規則の訳語候補ではない |
「強」、「弱」の考察
接尾辞「強」、「弱」の正解率はクローズドテストにおいてそれぞれ55.6%、
76.9%の正解率が得られた。「強」、「弱」は他の「数の上限」の訳の候補に見
られる''or more''、``or less''がない。これは「強」、「弱」が厳密な数の上
限を表していないためだと考えられる。
成功例: | 三十億円弱の年間売上高 → yearly sales from just under ¥ 3,000,000,000 | ||
数詞の桁数が一億以上のため訳は訳は''under'' | |||
失敗例: | 二割弱 | ||
→
|
|||
``nearly''は「弱」の翻訳規則の訳語候補ではない |