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基本的な自己組織化マップ(基本SOM)

本論文では,コホネンの自己組織型マップ(SOM:Self-organization Map)[7]を用いて「の」の交替現象を観察する.ここでは,基本的な自己組織化マッ プ(基本SOM)について述べる.

SOMはニューラルネットワークをモデル化したものの一つで,教師無し競合強化 学習及び近傍学習により,ある分布に従う入力データの特徴を抽出し,その分布 を近似した特徴マップを生成する.マップの多くは2次元平面に表示されるため, 同じような特徴を持つデータはマップ上の近い位置に出力される.よって,デー タがマップのどの位置に出力されたかにより,どのデータと類似した特徴を持つ かということがわかるので,視覚的にも理解しやすい.

SOMのネットワークは,入力層と2次元平面上に出力ノードが格子状に配置された 出力層の2層からなり,入力層はすべての出力ノードと結合している.各々の出 力ノードには入力データと対応した,すなわちn次元の入力ベクトルにはn次 元の参照ベクトルが格納されており,入力ベクトルと一番近い参照ベクトルを持 つ出力ノードと,その近傍にある出力ノードの参照ベクトルをその入力ベクトル に近づけていく.このような動作を繰り返すことにより,次第に同じような特徴 をもつデータが集まった領域がつくられていく.すなわちマップが自己組織化さ れていき,入力ベクトルの特徴を反映したマップが生成される.



 

Noboru KURUMAI
2001-03-20