その他の部分では「こと」,「もの」,「ところ」等と交替可能な文が混ざって現れていた. この部分にマッピングされた文を観察すると,本論文ではベクトルの要素としな かった部分が影響している場合が観察された.例えば「もの」と交替可能な次の文である.
これは「の」に主体がなく「変わった」「を」「ご覧にいれる」がベクトルの要素と なっている.しかし,この文で交替現象を解析するためには,前の「硬貨を収集 している」という知識が必要となる.このことから,交替現象の解析には統語環 境だけでなく,文脈の流れや主題などの情報が必要であると思われる.