了解度では自然音声も合成音声も同程度の値が得られた.しかしオピニオンス コアでは自然音声は4.75の対して従来法(3.章)では3.55,そ して改良法(6.章)でも3.83となり,自然音声には及ば なかった.オピニオンスコアの評価が悪かった合成音声の多くが接続部での違 和感が原因となっていた.これは,音素ごとの微妙な音量の違いから,接続部 が強調されてしまい不自然に聞こえたと考えている.オピニオン評価の音声の 種類による比較を表12に示す.
自然音声 | 同値 | 従来法(3.章) | |
文節数100 | 96 | 2 | 2 |
自然音声 | 同値 | 改良法 (6.章) | |
文節数100 | 87 | 6 | 7 |
従来法(3.章) | 同値 | 改良法(6.章) | |
文節数95 | 20 | 5 | 70 |
この結果を対比較実験と比較すると,自然音声の自然性が非常に高くなってい る.本研究ではオピニオン評価は比較対象となる文節を自然音声の文の中に埋 め込んで行った.そのため,自然音声の文と比較対象の文節との音量差から, 合成音声が不自然に聞こえてしまうことがあった.そのため,合成音声は自然 性が低く評価されてしまい,自然音声のオピニオンスコアの値が際立った結果 になったと考えられる.