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音節接続型音声合成

水澤らが提案している「音節接続型音声合成」[9]では,音節素片 の前後音素環境・音節素片が属する単語のモーラ数・音節素片の単語中のモー ラ位置の,言語パラメータのみを用いて,接続する音節素片を選択している. そして音響パラメータを一切用いない.この合成方法は,地名・人名などの固 有名詞の合成音声において自然性の高い合成音声を得ている. これは,地名な どの固有名詞ではアクセント型がほぼ一意に決まるため,単語のモーラ数と音 節素片のモーラ位置の情報がアクセントの情報になるためと考えている.

しかし,この「音節接続型音声合成」を普通名詞に適応した場合,例えば「雨」 と「飴」のように同音異義語が多数あるため,モーラ情報を考慮しただけでは 不適切な音声素片が選択される場合がある.実際,過去の研究において,アク セントを未考慮であったために不自然な音声が作成される場合があった [11].そこで,音節接続型音声合成を普通名詞に適用した場合,単 語のアクセントを考慮する必要がある.

なお,一般に音声合成において,韻律制御は重要な課題の1つである [10]. 波形接続型音声合成においては,韻律制御に藤崎モデルや ToBiモデルが利用されている.また,最近はHMMを用いる方法も提案されてい る[6].



Jin'ichi Murakami 2008-08-23