図2に、本報告で採用した、アクセント情報の情報量の測定方法 のフローチャートを示す。例文として``私は牡蛎を投げた''を用い て説明する。
まず初めに、この漢字かなまじり文を音韻情報およびアクセント情 報に変換する。この例文では``ワタシワ_^ カキオ_ ^ ナゲタ''が出力される。
次に、この出力結果からアクセント情報を除いて音韻情報のみ取り 出す。例文では``ワタシワカキオナゲタ''になる。この音韻情報から 漢字かなまじり文を生成する。この変換精度は低いため、大量の漢 字かなまじり文が出力される。この結果``私は牡蛎を投げた。''、 ``私は火器を投げた。''、``私は柿を投げた。''、``私若木を投げ た。''、``私は牡蛎を和げた。''などの漢字かなまじり文が出力さ れる。
次に、これらの漢字かなまじり文を再び音韻情報およびアクセント 情報に変換する。この変換精度は高いため、1つの漢字かなまじり 文に対して1つの正しい音韻情報およびアクセント情報が出力され る。
最後に、これらを元の音韻情報およびアクセント情報``ワタシワ_ ^ カキオ_^ ナゲタ''と比較する。B1) は元の漢字か なまじり文である。 B2) は音韻とアクセント句境界およびアクセ ント核が一致している。B3) は音韻情報とアクセント句境界が一致 しているがアクセント核が異なっている。B4) は音韻情報が正しい がアクセント句境界およびアクセント核が異なっている。 B5) は すべての情報が異なっている。 この例文では、元の音韻情報および アクセント情報に一致する漢字かなまじり文は2文である。また、 音韻情報が一致する漢字かなまじり文は4文である。したがってア クセント情報の持つ情報量 は と計算できる。