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漢字韻律変換を利用した測定方法

上記2.1の図1において、音韻情報を使用して生成された漢字か なまじり文と、音韻情報およびアクセント情報を使用して生成され た漢字かなまじり文の、両方の集合を、再び音韻情報およびアクセ ント情報に変換した場合、後者は前者の部分集合となる。

また、漢字かなまじり文を音韻情報およびアクセント情報に変換す る漢字韻律変換は、規則音声合成の分野で研究され続けている。こ の結果アルゴリズムも、かなり確立していて高い変換精度が得られ ている[6][7]。

そして、音韻情報から漢字かなまじり文に変換する音韻漢字変換は 表記と発音がことなる単語(例えば鼻音や長音を含む単語および助 詞の``は''と``を'')が存在していることをのぞけば、従来のかな 漢字変換と技術的に同等である。この変換精度は低いため、複数の 漢字かなまじり文が生成される。

以上のことを考慮して、本論文では2.1にしめしたアクセント情 報の持つ情報量の基本的な測定方法と等価な方法を考案し、アクセ ント情報の情報量の測定を行なった。この方法を次に示す。

  1. 初めに任意の漢字かなまじり文を音韻情報とアクセント情報に変換する。

  2. 次に、この情報から音韻情報のみを利用して複数の漢字かなまじ り文を生成する。

  3. 次に、これらの漢字かなまじり文を再び音韻情報と アクセント情報に変換する。

  4. 最後に、これらの出力された音韻情報とアクセント情報を、は じめの音韻情報およびアクセント情報と比較して、音韻情報および アクセント情報の一致する漢字かなまじり文の数と音韻情報の一致 する漢字かなまじり文の数を比較する。

この方法は、漢字かなまじり文を音韻情報およびアクセント情報に 正しく変換できると仮定すれば、2.1で示したアクセント情報の 持つ情報量の基本的な測定方法と同一になる。この仮定は正しくな いが、漢字かなまじり文を音韻情報およびアクセント情報に変換す る漢字韻律変換の変換精度は、かなり高いため、この方法はアクセ ント情報のもつ情報量を、近似ではあるが、得られると予測される。

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\fbox{\epsfile{file=figure2.eps,width=75mm}}\end{center}\end{figure}



Jin'ichi Murakami 平成13年10月5日