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自由発話の音響的な特徴の考察

この章では、自由発話と朗読発声の音響的な差を調べるために、主 に融合ラベルの付与率およびHMMにおける音素認識率について調査 した。その結果、自由発話は文単位の朗読発声と比較すると、融合 ラベルの出現頻度は約4割近く増加し、音素認識誤り率は約2倍に 増加した。

一方、文節単位の朗読発声と文単位の朗読発声を比較すると、融合 ラベルの出現頻度に大きな差はないが、融合ラベルを除いた音素認 識誤り率は約2倍近くにまで増えた。このような認識誤りの比率は、 文節単位の朗読発声と文単位の朗読発声の比率と同等程度であると 見られる。また、53%という音素認識率は、見方によってはさほど 低くないとも考えられ、今後の自由発話の認識に希望が持てるかも 知れない。



Jin'ichi Murakami 平成13年10月5日