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おわりに

本論文では,音声認識において使用されるBaum-Welchアルゴリズムをステップ バイステップで説明した.Baum-Welchアルゴリズムの基本は $ \Gamma_t (i,j) $ の計算にある. $ \Gamma_t (i,j) $ は,状態遷移確率 $ a_{i,j}$ とシンボル出 力確率$ b_{j}(O)$ から計算する.これが期待値ステップになる.状態遷移確率 $ a_{i,j}$ $ \Gamma_t (i,j) $ から再計算する.シンボル出力確率$ b_{j}(O)$ $ \Gamma_t (i,j) $ から再計算する.これが最大化ステップになる.この計算を することで,尤度が向上する.これを繰り返すことで,尤度は理想的な値に接 近する.現実的には,尤度が向上しなくなったとき,繰り返し計算を止める.

HMMには,多くの応用例が考えられる. Baum-Welchアルゴリズムは,これらの 応用例に適応できる.この解説論文が,これらの役に立つことを願っている.



Jin'ichi Murakami 平成22年9月2日