本論文では,音声認識において使用されるBaum-Welchアルゴリズムをステップ バイステップで説明した.Baum-Welchアルゴリズムの基本は の計算にある. は,状態遷移確率 とシンボル出 力確率 から計算する.これが期待値ステップになる.状態遷移確率 は から再計算する.シンボル出力確率 は から再計算する.これが最大化ステップになる.この計算を することで,尤度が向上する.これを繰り返すことで,尤度は理想的な値に接 近する.現実的には,尤度が向上しなくなったとき,繰り返し計算を止める.
HMMには,多くの応用例が考えられる. Baum-Welchアルゴリズムは,これらの 応用例に適応できる.この解説論文が,これらの役に立つことを願っている.