next up previous
次へ: Baum-Welch アルゴリズム 上へ: HMMのパラメータの学習 戻る: 学習用の入力シンボル系列


尤度が最大になるHMMのパラメータ

この例のように,入力シンボル系列のシンボル数が少ない場合に限定したと き,入力シンボル系列を最も尤もらしく表現するHMMのパラメータ,すなわち, 入力シンボル系列に対して尤度が最大となるパラメータを,人間は推定するこ とが可能である.おおよそのやり方は,シンボル出力確率をできるだけ1.0にす る.そして,同じシンボルは同じ状態から出力する.

[*]節の入力シンボル系列の尤度を,最大になる HMMのパラメータを表6および図7に示す.

図: 尤度が最大になるパラメータ
\fbox{
\includegraphics[scale=0.25]{figure/Parameter-of-HMM-oracle.eps}
}


表: 尤度が最大になるHMMのパラメータ
初期状態確率
$ \pi_0 = 1.0$ $ \pi_1=0.0$ $ \pi_2=0.0$
最終状態
  3  
状態遷移確率
$ a_{0,0}=0.5$ $ a_{1,1}=0.0$ $ a_{2,2}=0.0$
$ a_{0,1}=0.5$ $ a_{1,2}=1.0$ $ a_{2,3}=1.0$
シンボル出力確率
$ b_0(\alpha)=1.0$ $ b_1(\alpha)=0.0$ $ b_2(\alpha)=0.0$
$ b_0(\beta)=0.0$ $ b_1(\beta)=1.0$ $ b_2(\beta)=0.0$
$ b_0(\gamma)=0.0$ $ b_1(\gamma)=0.0$ $ b_2(\gamma)=1.0$

このときのforwardのgridの値を図8に示す.

図: 尤度が最大になるパラメータの尤度計算
\includegraphics[scale=0.35]{figure/forward_max.eps}

尤度は,0.25になり,これ以上高い値は, 存在しない.



Jin'ichi Murakami 平成22年9月2日