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まとめ

ここでは、自由発話の認識にむけて、自由発話と朗読発話の音響的 な差を調べた。この結果、朗読音声と比較すると、自由発話の音声 は、発話速度ではあまり差がないが、融合ラベルの付与率が約1割 から2割に増加すること、また音素認識誤り率が約2倍ないし3倍 に増加することがわかった。ただし、これらの値は話者によって差 がある。しかし、融合ラベルを除いた音素認識率誤り率は39.9%も しくは43.6%と、著しく低い値ではない。また、融合ラベルの増加 の問題は、連結学習により解消されることが期待できる。したがっ て少なくとも音素モデルに関しては、自由発話音声認識と朗読認識 において大きな差はないように思われる。

ただし、ここで扱った自由発話は、言葉の対応に慣れた人たちが限 定した条件の下で発話したデータであるため、これは clean な音 声と言うべきである。したがって、一般の話者が、雑音下で制約の 少ない状態で話した音声では、この論文で調査した結果と若干異な る可能性がある。



Jin'ichi Murakami 平成13年10月5日