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HMM


HMM[11]は、出力シンボルによって一意に状態遷移先が決 まらないという意味での非決定有限状態オートマトンとして理解で きる。また確率的性質を持つ信号源がMarkov的に切替えられて全体 として非定常信号源を表現しているモデルとも考えられる。このモ デルにはいくつかの種類があり、図1のよ うなleft-right型HMMは音声認識の分野で音素モデルとして良く利 用されているが、図2のように全状態が全状 態に接続されているモデルはErgodic HMMと呼ばれる。

HMMはパラメータとして状態遷移確率$A$,シンボル生成確率$B$,初 期状態確率$\pi$を持つ。これらのパラメータに初期値を与えて、 Baum-Welch algorithmを利用すると学習データに対して尤度が局所 的最大になるように再推定することができるが[11]、必ず しも最大値に収束しないため初期パラメータの設定は重要である。

図 1: Left-right HMMの例 (3-state HMM)
file=Figure/left-right_HMM.ps,height=26mm
図 2: Ergodic HMMの例 (3-state HMM)
file=Figure/ergodic_HMM.ps,height=26mm





Jin'ichi Murakami 平成13年10月5日