この表から,「完全一致」した文型パターンに比べて,「部分一致」した文型パターンの品質は極端に悪いことが分かる.4章の結果では,単語レベルの文型パターンの場合,「完全一致」する文型パターンに比べて「部分一致」する文型パターンは大変多い.多数の文型パターンの中からきわめて少数の意味的に正しい文型パターンを選択することは難しいと予想される.しかし,「意味的正解率」が小さいとは言え,多数の「部分一致」の文型パターンの中にはそれなりに正しい文型パターンが含まれることになるから,「部分一致」した文型パターンを無視して良いかどうか微妙である.いずれにしても不正解な「部分一致」文型パターンが多数適合することが問題である.この問題の最大の原因は,5.1節で述べたように,「原文任意要素」を指定する「離散記号」の使用基準にあると思われる.