HMMには多くの種類があるが、本論文では各状態がシンボルを出 力する状態出力タイプ(Moore 型) の離散型 (discrete) HMMを 考える。 また状態数(カテゴリ数)は、話者数と同数の4状態 とする。
なお、Baum-Welchの学習アルゴリズムは局所的最大点の方向に 進むため、初期パラメータによって識別率が大きく変動するこ とが知られている[9]。そこで初期パラメータを以下の 3種類の方法で計算し、識別実験を行なう。
HMMパラメータ の初期パラメータとして、初期状態確率 と状態遷移確率 、とシンボル出力確 率 全てに真値を与える。なお話者および発話 時間を決めて音声資料を作成しているため、真値はこれから 直接計算できる。
初期パラメータとして、シンボル出力確率 は真値 を与えるが、初期状態確率 と状態遷移確 率 は等確率にする。
初期パラメータとして、初期状態確率 と状態遷 移確率 を等確率に、シンボル出力確率 をランダムに与える。なお、 を等確率に与えた場 合、Baum-Welchの学習アルゴリズムは動かない。