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基本的な測定方法のフローチャート

7.1に例をあげてアクセント情報の持つ情報量の基本的な測定方法 を示す。例文として``私は牡蛎を投げた。''を用いた。

まず初めに、音素情報から漢字仮名交じり文を生成する(音素ー漢字 変換)。この例文の音素情報は``ワタシワカキオナゲタ''である。音 素情報から漢字仮名交じり文に変換するとき、日本語では同一の読み に対し複数の漢字が存在するため、複数の漢字仮名交じり文が生成さ れる。この音素情報からは``私は牡蛎を投げた。''、``私は柿を投げ た。''、``私は火器を投げた。''、``私、若木を投げた。''などが生 成される。

次に、音素情報およびアクセント情報が与えられたとして、これら の情報から漢字仮名交じり文を生成する(音素・アクセントー漢字変 換)。この例文の音素情報およびアクセント情報は``ワタシワ_ ^ カキオ_^ ナゲタ''である。ここで``^ ''はアクセント核 の位置を示し、``_''はアクセント句境界の位置を示す。アクセント 情報が加わっても、漢字仮名交じり文は複数生成されるが、この数は 音素情報から生成された漢字仮名交じり文の数よりも少なくなる。こ の例文では``私は牡蛎を投げた。''、``私は火器を投げた。''などが 生成される。

最後に、この両者の漢字仮名交じり文の数の比を計算する。音素情 報から生成される漢字仮名交じり文の数と、音素情報およびアクセ ント情報から生成される漢字仮名交じり文の数の差は、アクセント 情報の持つ情報に起因する。したがって、この比がアクセント情報 の持つ情報量となる。

図 7.1: アクセント情報の持つ情報量の基本的な測定方法
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\fbox{\epsfile{file=PAUSE/fundamental.ps,width=100mm}}\end{center}\end{figure}



Jin'ichi Murakami 平成13年1月5日