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(3)「文法属性規則」と「意味属性規則」の併用

今までの実験結果から見ると,「文法属性規則」に比べて,「意味属性規則」の 方が総合的な解析精度は高いと言えるが,表現によっては,「文法属性規則」の 方が精度の良い場合もある.そこで,ここでは,両者を組み合わせて使用する場 合の効果について評価する.

具体的には,4.1で得られた「意味属性規則」のそれぞれの正解率と4.2.1で得られた「文法属性規則」の正解率に基づき,以下の手順で解析実験を行う.

  1. まず,「文法属性規則」のうち,精度がある一定値$\eta \%$以上の規則を使 用して,係り受け解析を行う.
  2. 次に,1)で係り受け関係が決定できなかった標本に対して,「意味属性 規則」によって係り受け解析を行う.
  3. $\eta$の値を変えながら,1),2)の手順を繰り返し,その結果を総合して, 最終的な解析精度を評価する.

以上の実験の結果を図11に示す.図では,左端の点,右端の点が,それぞれ, 「意味属性規則」のみの場合と「文法属性規則」の場合を示しており,中間の2点は,$\eta=85\%$の場合と$\eta=70\%$の場合を示している.

この結果によれば,$\eta=85\%$の時,すなわち,2割の名詞句は,「文法属性規 則」,残る8割は,「意味属性規則」によって解析されるとき,解析精度は,ほ ぼ最大で,$86.8\%$となる.

図: 文法属性による規則と意味属性による規則の併用
\begin{figure}\begin{center}
\epsfile{file=zu11.eps,scale=0.9}
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Jin'ichi Murakami 平成13年1月17日