さて,2つの助詞「の」と3つの名詞から構成された「」 の形の名詞句を考える.ただし,記号は名詞の出現順序をも表すもの とする.以下,この型の名詞句を単に「の型名詞句」という.
日本語では,一般に,表現要素間に後方修飾の原則があることに注意すると, 「の型名詞句」では,名詞の係り先は名詞に特定されるため,先頭の名詞 について,以下の2通りの係り受け解釈が存在する.但し, は,がに係ることを示す.
以下では,簡単のため,1)を「係り」,2)を「係り」と呼ぶ.