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次へ: (2)解析規則の記述形式 上へ: 意味属性規則の生成 戻る: 5.1.1 対象とする名詞句と実験の条件

(1)対象とする名詞句とその曖昧性

さて,2つの助詞「の」と3つの名詞$A,B,C$から構成された「$AのBのC$」 の形の名詞句を考える.ただし,記号$A,B,C$は名詞の出現順序をも表すもの とする.以下,この型の名詞句を単に「の型名詞句」という.

日本語では,一般に,表現要素間に後方修飾の原則があることに注意すると, 「の型名詞句」では,名詞$B$の係り先は名詞$C$に特定されるため,先頭の名詞$A$ について,以下の2通りの係り受け解釈が存在する.但し, $\alpha \rightarrow
\beta$は,$\alpha$$\beta$に係ることを示す.

  1. $A \rightarrow B$ (& $B \rightarrow C$)の場合
    例)「私の母の名前」,「浴室の脱衣場の壁」
  2. $A \rightarrow C$ (& $B \rightarrow C$)の場合
    例)「私の昔の友達」,「東京の数学の教師

以下では,簡単のため,1)を「$b$係り」,2)を「$c$係り」と呼ぶ.


Jin'ichi Murakami 平成13年1月17日