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(2)文法属性を使用した規則への汎化

以上の方法で生成された構造規則を対象に,構造定義部の意味属性を文法属性に 置き換えてよい規則の組を探して,それらを文法属性による規則に置き換える. 置き換えられた規則では,次元やタイプの異なる複数の構造規則が縮退されるた め,適用順序の情報が失われる.従って,書き換え後の規則は,適用順序に依存 しない独立した規則である必要がある.そこで,ここでは,書き換えの可否は, 人手により判断するものとする.

さて,前項までで得られる構造規則は,変数部分がいずれも「オールマイティ」, 「意味属性」,「字面」の何れかで記述された規則である.ここで,「意味属性」 で記述された規則の組を「転生名詞」,「時詞」,「形式名詞」など,より汎用 な「文法属性」で記述された規則に汎化することを考える.一つの「文法属性」 に複数の「意味属性」が対応することに着目し,各文法属性毎に,それと対応し た意味属性を持つ規則を集め,該当する意味属性の部分を文法属性で置き換えた 規則を作成する.新しい規則の作成では,後に述べる意味属性規則の汎化と同様, 着目する意味属性以外の要素の同一性に注意する必要がある.また,書き換え後 の規則の独立性を保証するため,木構造上,置き換え対象となる規則の適用領域 内に他の規則が存在していないことを確認する必要がある[*]

このようにして得られた文法規則を,文法属性の上下関係に着目して,さらに汎 化する場合も同様である[*]

なお,一般に,構造規則において,表現構造定義部は,字面,意味属性,文法属 性などの混在する形式で記述できるから,上記の置き換えは,可能な変数のみを 対象とすればよい.


Jin'ichi Murakami 平成13年1月17日