節の対応分析の結果では,高評価コメントでは「皇室」や「結婚」などの単語が,低評価コメントでは「コメント」や「批判」といった単語が多く出現していることが分かった. しかし,多くの単語は図の原点に集中しており分かりずらい結果となった.
節のクロス集計のソートの結果では,高評価コメントと低評価コメントにどのくらい偏って出現しているのかを明らかにするため「高の比率」を用いて数値的に明らかにした. 結果,高評価コメントに多い語として「本当に」や「今回」など,低評価コメントに多い語として「笑」や「コメント」などが取り出せた.
節のコロケーション分析では,高評価コメントに偏っていた「本当に」と低評価コメントに偏っていた「笑」を元にその周囲にどのような語が出現しているかを見ることで,高評価コメントと低評価コメントの性質を明らかにしようとした. 高評価コメントでは「ほしい」といった要望や意見を表した語や「残念」といった自分の感想を表すような語が多く見られた. 低評価コメントでは「コメント」など他の人が出したコメントに対して言及をする語や「よね」などの自分のコメントに対して強く同意を求めるような語が多く見られた.
節のgrep分析や追加実験では,高評価コメントでは表のコメント10「望み通りもう無くしてしまっても良いのでは?」や表のコメント13「責任は重くないですか?」,のコメント5「世界で助けるべき問題だと思う。」など問題提起をするようなコメントが多かったことが分かった. 低評価コメントでは,表のコメント16「貰えない世帯がギャーギャー騒いでる」や表のコメント1「それは民主主義だからでしょ?」など記事が書かれた対象に対してはそれを擁護するようなコメントが多かった.
以上より,「見直しが必要ですよね」や「責任は重くないですか?」のような自分の考えをしっかりと示しながら他者に不快感を与えないコメントが高評価を得やすいのではないかという考察を得ることができた.