ユーザ個人の興味の影響を考慮した情報の重要度を決める要因の抽出・分析

村田ら [3]は,情報の重要度を決める要因を明らかにし,その知見に基づき情報の重要度を自動推定するシステムを構築することを目標に一般の人が重要と考える情報の分析につながるようにアンケート調査に基づく情報の重要度の研究を行った.どのような情報を重要と考えるかは個々人によって異なるため,本研究ではユーザ個人ごとに異なる情報の重要度について特に焦点をあてて分析した.ユーザごとの興味をアンケートにより抽出しその結果を利用してユーザごとに異なる情報の重要度について調査を行った.実験の結果,60%以上の被験者が重要と考える一般的な情報の重要度は,80%以上の精度でもとめることができることがわかった.また,ユーザ個人の考える情報の重要度は約65%で推定できた.興味情報が機械学習で重要とされた上位500個の単語の方と有意に重なりが多かった被験者は53人で,下位500個の単語の方が重なりが多かった被験者は2人であった.53人と2人は検定で有意差があるため,ユーザ個人の興味情報が,そのユーザの重要な記事の判断と相関があることがわかった.