「大雨」「洪水」「大雪」

(正解例1)
気象庁は暴風や高波、大雨に厳重な警戒を呼びかけている。

(正解例2)
タイの大洪水で首都バンコクの王宮にも水が迫った。

(正解例3)
同気象台は、青森、岩手、福島各県の一部を除く東北地方に大雪注意報を発令した。
(誤り例1)
近畿地方でも25日から26日にかけて大雪(大雨)や強風に見舞われる危険があり、気象庁は警戒を呼びかけている。

(誤り例2)
低温や大雨(洪水)など世界的な異常気象の原因はエルニーニョ現象のためという説がある。

(誤り例3)
洪水(大雪)の影響は十三日も残り、近畿各地の高速道路は阪神高速道が十二日から二日間にわたって通行止めになり、開通した路線でも渋滞の列。

4.19に単語組「大雨」「洪水」「大雪」の機械学習の分類結果を示す. 表4.20に単語組「大雨」「洪水」「大雪」の正規化α値に基づいた機械学習が参考にした素性を示す.




Table 4.19: 機械学習の分類結果(「大雨」「洪水」「大雪」)
  データ数 再現率 適合率
大雨 1000 0.79 0.80
洪水 1000 0.83 0.83
大雪 1000 0.82 0.80
総数 3000 0.81 0.81


Table 4.20: 機械学習が参考にした素性(正規化α値:「大雨」「洪水」「大雪」)


33#33


「大雨」,「洪水」,「大雪」全てにおいて正解率が約8割となり,かなり使い分けが必要な単語であることがわかった.

「大雨」の素性として「雨」や「梅雨」,「台風」など雨を伴う気象のほか,「土砂」,「浸水」,「避難」など大雨による災害に関する単語も頻出していた. また,大雨が多く降った地方も素性に出ていたが,一番正規化 1#1値が高かったのは「九州」であった.

「洪水」の素性として,「タイ」や「バンコク」が挙げられる.タイでは2011年に起きた大洪水によって多くの死者が多く出たことが素性を読み取ることで得ることができた.また,洪水による被害は企業や自然にも及び,素性として「工場」,「汚染」,「森林」,「米」などの単語も多く出現していることがわかった.

「大雪」の素性として,やはり「日本海」,「甲信」,「北海道」など,雪が降る地域が多く出現していた.また,「大雨」と同様,「停電」,「事故」,「孤立」など大雪時に起こりうる災害も多数出現していた.