「上」「中」「下」

(正解例1)
日本に対しては、「内需主導型成長を確保するため、必要に応じて財政の措置の実施」を求めている。
(正解例2)
男性は窃盗容疑で勾留、尿から覚醒剤の陽性反応が出たため、10月19日に逮捕された。
(正解例3)
戦時で資材が制限され、群雄割拠状態だった美術団体も一元化された。
(誤り例1)
今世紀に起きた二つの世界大戦の(上)に戦後五十年がある。

(誤り例2)
日米安保体制の(中)で何もしないでじっとしている一国閉じこもり型だった。

(誤り例3)
規制委の(下)に省庁や専門分野を超えた組織が必要と主張した。

4.15に単語組「上」「中」「下」の機械学習の分類結果を示す. 表4.16に単語組「上」「中」「下」の正規化α値に基づいた機械学習が参考にした素性を示す.




Table 4.15: 機械学習の分類結果(「上」「中」「下」)
  データ数 再現率 適合率
1000 0.71 0.73
1000 0.73 0.71
1000 0.72 0.71
総数 3000 0.72 0.72


Table 4.16: 機械学習が参考にした素性(正規化α値:「上」「中」「下」)


31#31


前述の「上下左右」で用いた「上」「下」に「中」という単語を追加して実験を行った.

なおこの実験における「上」と「下」は再度無作為に選び直した,「上下左右」のものとは違う別の1000文である.

その結果,上では「インターネット上」や「安全上」,下では「不況下」や「担当下」のような先述の実験ではあまり出てこなかった単語が素性に浮上した.

また,上や下だけでなく,「中」からも「活動中」や「予定中」,「農業中」のように「何かをし続けているさま」を表す言い回しが頻出したことから文法的に役立つ素性を得ることができた.