被験者による評価実験

より客観的な評価を得るため,筆者以外の学生3人による被験者実験を行った. 被験者が,あらかじめ単語対から連想する語句を30個を書き出し,その連想語句と最大エントロピー法と符号検定で得た単語対の素性の一致数を表5.13に示す. また,被験者3人の連想語句一致数の平均を表5.14に示す. 最大エントロピー法と符号検定で収集した単語対の素性100個を先述した評価基準(表3.1)を基に被験者が人手で評価した結果を表5.15に示す. また,表5.15より被験者による評価の平均を表5.16,比率を表5.17に示す. 表5.14より,人が連想した単語対の連想語句は最大エントロピー法で得た単語対の素性よりも符号検定で得た単語対の素性の方が一致数が多いことがわかる.表5.17より,人が役に立つと考える単語対の素性の収集は最大エントロピー法の方が符号検定に比べて多く収集できている.また,表5.15の結果において最大エントロピー法と符号検定の各単語対の◎の個数の差が統計的に有意であるかを確かめるために,被験者3名の単語対の合計24対の最大エントロピー法と符号検定の◎の個数でt検定の両側検定により有意差検定を行った.p値が0.0137であり有意水準0.05%以下であるので有意差がみられた.これらの結果は,5.2.2節で示した筆者による評価実験と同じ傾向があることがわかる. 被験者が行った単語対別の評価の例を表5.18,表5.19,表5.20,表5.21,表5.22,表5.23,表5.24,表5.25に示す.




Table 5.13: 被験者による連想語句一致数
被験者1 被験者2 被験者3 平均
単語対 ME 符号検定 ME 符号検定 ME 符号検定 ME 符号検定
政治 6 12 5 16 4 8 5.0 12.0
経済 13 23 17 22 9 17 13.0 20.7
輸入 4 6 4 6 2 5 3.3 5.7
輸出 0 2 0 5 1 7 0.3 4.7
社会主義 15 12 11 15 9 14 11.7 13.7
資本主義 5 10 7 9 8 15 6.7 11.3
オリンピック 6 7 3 9 4 5 4.3 7.0
パラリンピック 11 12 6 11 11 12 9.3 11.7




Table 5.14: 被験者による連想語句一致数の平均
ME 符号検定
6.7 10.4


Table 5.15: 被験者による評価結果


22#22





Table 5.16: 被験者による評価実験の平均
  ME 符号検定
単語対 × ×
政治 7.3 54.3 38.3 3.7 64.3 32.0
経済 10.3 57.3 32.3 8.0 74.5 17.3
輸入 7.0 31.7 61.3 3.3 46.7 48.3
輸出 13.0 28.0 59.0 8.0 40.0 52.0
社会主義 12.0 47.0 40.7 9.0 48.7 42.3
資本主義 4.0 35.3 60.7 4.3 38.0 60.7
オリンピック 3.7 47.0 49.0 3.7 62.0 34.3
パラリンピック 10.7 35.0 54.7 7.0 42.0 50.3






Table 5.17: 被験者による評価実験の比率
ME 符号検定
× ×
0.085 0.42 0.49 0.059 0.52 0.42




Table 5.18: 政治
ME 符号検定
× ×
天皇 介入 スタイル トランプ
軍人 結成 つなげる 虚偽 国民




Table 5.19: 経済
ME 符号検定
× ×
リーマン 証券 基地 原子力 通貨 会議
原子力 バブル 一段 資源 株価 発表




Table 5.20: 輸入
ME 符号検定
× ×
化石 ワクチン ハマス トランプ 冷凍 患者
トランプ 規制 サウス 鉄鋼 関税 回収




Table 5.21: 輸出
ME 符号検定
× ×
サバ OPEC 精米 悪化 危機 基調
IKEA 半導体 名誉 武器 半導体 堅調




Table 5.22: 社会主義
ME 符号検定
× ×
クーデター ごろ ソ連 国家
共和 政党 伝え ベトナム 政治






Table 5.23: 資本主義
ME 符号検定
× ×
発達 文明 理事 成長 格差 なき
バブル マネー バブル マネー ます




Table 5.24: オリンピック
ME 符号検定
× ×
勇気 IOC 主義 憲章 IOC 数学
平和 NOC 知的 総会 処分




Table 5.25: パラリンピック
ME 符号検定
× ×
ブラインド 義足 ぜひ 車椅子 エンブレム
バリアフリー アルペンスキー 未明 バリアフリー メダル 機能